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2021年11月10日(水)にオンライン開催され、YouTube でライブ配信された中医協総会(第495回)の速記録(非公式)です。
弊社が独自に作成したものですので、厚生労働省の公式議事録とは異なることにご注意ください。
この日の中医協は、基本問題小委員会と総会が開かれました。
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1.基本問題小委員会(9:03~9:14)
2.総会 (9:17~11:42)
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総会の議題は5項目。
このうち、メインは5の「入院(その2)」でしょうか。
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1.医療機器の保険適用について
2.費用対効果評価専門組織からの報告について
3.診療報酬基本問題小委員会からの報告について
4.在宅(その4)について
5.入院(その2)について
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議題5は「急性期入院医療」がテーマです。
論点のページでは、このように分けています。
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急性期入院医療についての論点① 【急性期入院医療について】
急性期入院医療についての論点②【高度急性期入院医療について】
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急性期入院医療の機能分化を進めるための個別項目が論点に挙げられています。
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【補足です】
支払側、診療側の“主力戦闘機”の交代により、議論が全く盛り上がらなかった印象をもちました。
ライブ配信をご覧になっていた方はどのようにお感じでしょうか。
この日、岸田政権の第2次内閣が発足しました。
中医協の開催案内では、午前9時から午後1時までの4時間コースとなっていましたが、
おそらく多忙な事務局に気を遣ったのか、
開始当初から「サクサク終わらせよう」という空気が伝わってきました。
予定より1時間以上も早く、正午前に閉会しました。
最初に開かれた基本問題小委員会は約10分で終了しました。
医療技術の評価は毎年2回ぐらいやる定例ものですが、
かつての中医協であれば、却下された医療技術などをめぐり何らかの議論がありました。
しかし、今回は支払側と診療側の代表が一言ずつコメントして閉会。
続く総会もスイスイ進みました。
総会のメインテーマは議題4と5。在宅と入院でしょうか。
在宅(その4)は「在宅医療」と「在宅歯科医療」の二本立てです。
在宅の審議では、井内課長と宮原歯科医療管理官が説明した後、
質疑が「在宅医療」と「在宅歯科医療」に分けて行われました。
すでに意見が出尽くしているのか、各委員の短いコメントに終わりました。
その中で、最も長く発言したのは
田村文誉専門委員(日本歯科大口腔リハビリテーション科教授)でしたので、
表紙の写真に使わせていただきました。
めったに発言しない先生ですので、貴重なのです。
最後の議題「入院(その2)」は、中医協の風物詩と言いますか、
いつも最高に盛り上がる急性期医療です。
7対1の創設以来、このテーマはいつも両側が衝突するのですが、
今回は盛り上がらず、これでいいのか悪いのか。。。
幸野庄司氏(健保連)、松本吉郎氏(日医)がいれば、間違いなく午後1時は突破していたなあと思いました。
退任にあわせて、このテーマをもってきたのでしょうか。井内おそろし。
「入院(その2)」の資料は155ページと膨大ですが、井内課長の説明は約25分、質疑は約40分です。
質疑の前半は各委員がそれぞれ論点に沿ってコメント。
後半、城守委員(日医)が反論を開始したのが11時半ですが、11時40分にこの議題は終わりました。
最後に、医薬品卸の談合疑いの件について、松本真人委員(健保連)が発言して閉会しました。
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【余談です】
今回のメインテーマである「急性期入院医療」については、いろいろ言いたいことがありますが、
1つに絞りますと、やはり重症度、医療・看護必要度でしょうか。
ネットで「看護必要度」の本を検索すると、いろいろ出てきます。
重症度、医療・看護必要度を大きく変更すると、果たしてどうなるのか。
ちなみに、これも余談ですが、民間の大病院に勤務する経営戦略室長のお話ですと、
「当然、必要度ⅠもⅡも両方、付けてるよ」と言います。
不慣れな看護師が入力漏れをしてしまうと反映されないので、
目視できちんと付ける「必要度Ⅰ」は手放せないそうです。
また、高齢者が多い病院に勤務する看護師さんの話ですと、
「夜中にトイレに付きそう手間が評価されてないよね」と言います。
現場の実態に即していないと言います。
そうですね。誰のための基準なのでしょうか。
以前、経営戦略室長に「どんな基準なら実態に合うのか」と尋ねたことがありますが、
「え? 改定されたら、そういう患者を入れるようにするだけ」と苦笑されました。
なお、B項目の話題ですが、これはもともと
急性期病院の関係団体から出た要望であったと記憶しています。
高齢者の入院患者が多いのでA項目だけでは不利だということで、
B項目を入れてもらった経緯があります。
今回、入院分科会では高度急性期病院の院長がB項目を外せと主張し、看護系の委員が反対しました。
この日の総会では、日本医師会の城守委員もB項目外しに反対し、
「根本的なことがわかっておられないのではないか」と述べました。
なんだかもうグチャグチャな感じがします。
重症度、医療・看護必要度なんて廃止して、
患者の状態をできるだけ反映できる新たな指標をつくってはどうかと思います。
最後に一言。
今回の「入院」の資料の中で、私が最も注目したのは「入院時重症患者対応メディエーター」です。
厚労省の資料「総-5」でP104、速記録ではP262です。
初出です。入院分科会でも議論はありません。
恐ろしいものがコッソリと出てきました。
皆さんは、どのようにお感じになられますでしょうか。